
大洗フェリーの電波はどこまで届く?さんふらわあ船内Wi-Fiと圏外対策|茨城・海上の通信事情
- 8月17日
- 読了時間: 8分
茨城県の大洗港から北海道・苫小牧へ向かうフェリーは、県内では数少ない「長時間の海上移動」です。ところが乗ってみて驚くのが、出港から思ったより早くスマホの電波が細くなるという点。大洗フェリーの電波はどこまで届くのか、船内のどのあたりが弱くなるのか、そして船内Wi-Fiはどこまで当てにしてよいのか。この記事では、海上で圏外になる仕組みから乗船前の準備までを、通信に詳しくない方にも分かるように整理します。
目次
大洗港を出港してから圏外になるまで:海上で電波が届く距離の目安
そもそも携帯電話の電波は、海の上に基地局があるわけではありません。陸上に立っている基地局のアンテナから飛んできた電波が、たまたま海の方向にも届いている、というのが実際のところです。海面には電波をさえぎる山も建物もないため、条件がよければ陸から見えるより遠くまで届くこともありますが、それでも「沿岸から離れれば離れるほど弱くなる」という原則は変わりません。
体感としては、大洗港を出て港内をゆっくり進んでいる間はほぼ問題なく使えます。防波堤を抜けて外洋に向かい始めると、アンテナの表示が減ったり増えたりを繰り返すようになり、やがて動画やSNSの読み込みが途中で止まるようになります。ここで多くの人が「圏外になった」と感じますが、実際には完全な圏外の手前、いわゆる「アンテナは立っているのに何も読み込めない」状態がしばらく続くのが特徴です。
電波が届く距離は、その日の天候・海面の状態・船の位置・どのキャリアを使っているかで大きく変わります。「何キロまで使える」と一律に言い切れるものではないので、出港後1時間程度で通信は当てにできなくなる、くらいの前提で準備しておくのが現実的です。夜行便であれば、房総半島や福島県沖の沿岸に近づくタイミングで一時的に電波が戻ることもありますが、これも運任せと考えておきましょう。
船内のどこで電波が弱くなるか:鋼鉄の船体という「金属の箱」
同じ航行中でも、船内のどこにいるかで電波の入り方はかなり違います。傾向としては次のとおりです。
屋外デッキ:船内では最も電波が入りやすい。陸に近い時間帯なら通信できることが多い
窓のある客室・ラウンジ:デッキに次いで入りやすいが、窓の向きが陸と反対側だと弱い
船内中央の通路や内側の客室:かなり弱くなる。圏外表示になりやすい
カーデッキ(車両甲板)や下層階:ほぼ期待できない
理由はシンプルで、船体が鋼鉄でできているからです。電波は金属に当たると反射・吸収されて中まで届きにくくなります。これは、常磐線やつくばエクスプレスの車内で、トンネルでもないのに急に電波が悪くなるのと同じ理屈です。列車も車体は金属の箱で、しかも高速で移動しながら基地局を次々と切り替えているため、通信が途切れやすくなります。フェリーの場合は「金属の箱」に加えて「そもそも周囲に基地局がない」という条件が重なるので、より厳しくなるわけです。
ですから、乗船中にどうしても連絡を取りたい場面では、まず屋外デッキか窓際に移動してみてください。同じ船の中で数十メートル歩くだけで、圏外から回復することは珍しくありません。移動中の通信の弱さという意味では、茨城の高速道路での電波の安定性についてまとめた記事の考え方も参考になります。
キャリア別の傾向:沿岸から離れたときにどこまで粘るか
海上での粘り方は、キャリアによって差が出やすい部分です。ドコモ・au・ソフトバンクは、いわゆるプラチナバンドと呼ばれる低い周波数帯を持っています。低い周波数は障害物を回り込みやすく、遠くまで届きやすい性質があるため、沿岸から離れた海の上でも比較的長く電波を保ちやすい傾向があります。
一方、楽天モバイルは後発でネットワークを整備してきた分、沿岸部や人口の少ないエリアでは基地局の密度が相対的に不利になりやすく、海上ではより早く通信が細くなることがあります。加えて、これまで自社エリア外を補ってきたau回線のパートナー回線(ローミング)が2026年9月をもって終了すると案内されており、海沿いや山間部といった「自社エリアの端」にあたる場所では、これまでとつながり方が変わる可能性があります。自分の使っているエリアがどう変わるのかは、楽天モバイルの公式サイトのエリアマップで、乗船前に確認しておくと安心です。
なお、こうした「メイン回線が弱い場所ではサブ回線でしのぐ」という使い方をしたい場合、デュアルSIM対応のスマホに2回線目を入れておくのはひとつの手です。楽天モバイルには紹介経由で申し込むとポイントが還元されるキャンペーンがあり、他社からの乗り換えで最大14,000ポイント程度が案内されています。条件や金額は変更されることがあるため、正確な最新条件は必ずキャンペーンページで確認してください。
さんふらわあの船内Wi-Fiと衛星通信は当てにできる?
大洗〜苫小牧のフェリーには船内Wi-Fiが用意されていますが、陸上の光回線や自宅Wi-Fiと同じ感覚で使えるものではありません。ポイントは、その先が衛星通信でつながっているという点です。
利用できる場所が限られる:ラウンジや共用部など、アクセスポイント近くが中心。客室の奥やカーデッキでは届きにくい
速度は控えめ:メールやメッセージ、テキスト中心のWebページなら実用的だが、高画質動画のストリーミングは厳しい
混雑すると遅くなる:乗客全員が同じ細い回線を分け合うため、夜間や出港直後は特に重くなりやすい
遅延(応答の遅さ)が大きい:衛星を経由するぶん往復に時間がかかり、ビデオ通話やオンラインゲームは会話や操作がかみ合いにくい
判断基準としては、「到着連絡やメッセージのやり取りはできる可能性が高い、動画視聴やビデオ会議は当てにしない」と考えておくのが安全です。仕事の打ち合わせを船内から行う予定がある方は、日程をずらすか、出港前に済ませてしまうことをおすすめします。船内Wi-Fiのサービス内容は変更されることもあるので、乗船前にフェリー会社の公式案内で最新情報を確認しておきましょう。
乗船前にやっておきたい圏外対策チェックリスト
海上の圏外は「対策できないもの」ではなく、「事前に準備しておけば困らないもの」です。出発前に次の項目をひととおり済ませておくと、船内での過ごし方がぐっと楽になります。
動画・音楽・電子書籍を事前ダウンロードしておく(オフライン再生対応のアプリを使う)
北海道側の目的地周辺のオフライン地図を保存しておく
家族や職場に「◯時出港、翌朝◯時到着、その間は連絡がつかない」と先に伝えておく
到着後すぐ必要になる予約確認メールやチケットは、スクリーンショットで保存しておく
モバイルバッテリーを充電しておく(客室のコンセント数は限られることがあります)
圏外エリアでは機内モードにする。電波を探し続けるとバッテリーの消耗が早くなります
最後の項目は特に効果が大きく、圏外の場所でスマホが電波を探し続けると、それだけで電池がみるみる減っていきます。バッテリーの持ちを良くする工夫については、スマホのバッテリーを長持ちさせるコツをまとめた記事も参考にしてください。長距離の移動全般での通信の備えについては、遠出した先での通信環境の話も合わせてどうぞ。
大洗港ターミナル周辺・海沿いエリアの陸上側の電波事情
乗船前に通信を済ませるうえで押さえておきたいのが、大洗港ターミナル周辺の電波事情です。ターミナル自体は市街地に近く、主要キャリアであれば通常のスマホ利用に支障が出ることは多くありません。ただし、出港前の時間帯はターミナル内に乗客が集中するため、同じ基地局に接続が集まって一時的に速度が落ちることがあります。大容量のダウンロードは、自宅や道中のうちに済ませておくのが確実です。
大洗サンビーチやアクアワールド周辺といった海沿いのエリアも、日中の観光シーズンには人が集まるぶん通信が混み合うことがあります。海に向かって開けた場所では、背後の陸側にアンテナがあるぶん、海を向いて立つより陸を背にした位置のほうが安定することもあるので、通信したいときは少し立ち位置を変えてみてください。こうした行楽地での傾向は、公園や観光地でのスマホ利用状況でも触れています。
まとめ
大洗港から出るフェリーの電波は、出港直後こそ問題なく使えるものの、外洋に出るにつれて確実に細くなっていきます。船体が鋼鉄でできているため船内中央やカーデッキではさらに弱く、デッキや窓際に移動するだけで状況が変わることもあります。船内Wi-Fiは衛星経由のため、テキストのやり取りには使えても動画やビデオ通話には向きません。
言い換えれば、事前にダウンロードと連絡の段取りさえ済ませておけば、圏外の時間はむしろ静かに過ごせる貴重な時間になります。海の上でスマホがつながらないことを前提に準備して、大洗発の船旅を気持ちよく楽しんでください。
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